税制優遇制度の活用
リスクを高めずにリターンを高める方法
通常は、金融商品から生み出される利息、配当、値上がり益には税金がかかります。税金がかからない制度を利用すると、税金分だけ手取りを増やせることになります。税金がかからない代表的な制度には、少額投資非課税制度 (NISA) と確定拠出年金制度 (DC) があります。
どの制度を使って、金融商品を運用するかによって、受け取れる予想金額は変わってくることになります。
より効果的に税制優遇制度を活用する
例えば、資産100万円を運用する場合。
50万円を投資信託 (収益5%) に、50万円を定期預金 (金利0.1%) に振り分けたとします。
(このように資産を2つの種類に分けて運用することをアセット・アローケーション「資産配分」といいます。)
資産の配分は変わらなくても、どの制度を利用して金融商品を利用するかにより、リターンは変わってくるということです。
課税口座で投資信託 | DCで定期預金 | トータルリターン |
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4% |
0.1% |
4.1% |
DCで投資信託 | 課税口座で定期預金 | トータルリターン |
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5% |
0.08% |
5.08% |
同じリスクでも、非課税制度の活用法により、手取り額が変わります。非課税制度の口座では、期待リターンの高い金融商品を運用する方がお得だということです。
少額投資非課税制度 (NISA) と確定拠出年金制度 (DC) のそれぞれの特徴
老後の資産づくりの基本は、長期で積立て目標時期まで引き出さない!ということ。
そんな機能を兼ね備えた積立ての投資制度が確定拠出年金 (DC) です。 毎月の掛け金が所得控除になり、税金の対象から差し引かれるため節税効果にもなります。また老後の受け取り時にも、各種控除が適用になります。
制度 | NISA | 確定拠出年金 (個人型) | 確定拠出年金 (企業型) | |
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対象者 | 20歳以上 の国内居住者 (非課税口座を開設し ようとする年の1月1 日時点) |
国民年金第1号被保険者など | 国民年金第2号被保険者 (勤務先企業で制度が実施されている必要あり) |
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限度額 | 年間120万円 |
今後加入できようになる対象が広がる※1 |
※ 企業が拠出するが、個人も マッチング拠出ができる |
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途中解約 (売却) | 自由 (枠の再利用は不可) | 60才になるまで原則不可 | ||
対象商品 | 上場株式 株式投資信託 | 預貯金・公社債・投資信託・保険など | ||
税制優遇 | 拠出時 | 優遇措置なし | 所得控除 (所得税・住民税軽減) | |
運用益 | 非課税 | 非課税 | ||
受取時 | 課税されない | 課税される (退職所得控除または公的年金等控除あり) | ||
その他 | 非課税期間は5年間 ※ ロールオーバーを行うと最長10年間まで延長が可 |
老齢給付のほかに、障害給付金 (年金、一時金)、死亡一時金がある
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※1 今回の法律改正 (2017年1月実施予定) で、下記のような人も利用できるようになります。
企業年金があるけれど、企業型確定拠出年金がない会社員:月1.2万円 (年14.4万円) の範囲で加入し積立ができるようになる
公務員:月1.2万円 (年14.4万円) の範囲で加入し積立ができるようになる
専業主婦等:月2.3万円 (年27.6万円) の範囲で加入し積立ができるようになる
これにより、現役世代は全員、何らかの確定拠出年金を利用できるようになります。
個人型DCをどう選べばよいの?
個人型DCを取り扱っている金融機関のほとんどが掲載されています。 個人型DCで老後資金を始めようという方には便利なツールです。